＜A.Courtois Bass Trombone　/　クルトワ バストロンボーン＞

Trombone Quartet TINTS　バス トロンボーン奏者　 中村 弥生 氏

私が長年愛用しているのがクルトワのバストロンボーン ですので、同じメーカーのAC502の試奏にはとても興味がありました。
色々と試させていただいた中でトータルで感じたことはこの楽器の「吹きやすさ」です。
この楽器には特異的なクセを感じません。それはこのモデルの基本的な設計にもよるのかもせれませんが、前奏者による吹きグセも感じないですね。解放のBbではもちろんのことながら、F管Gb管とロータリーを引いた際の低音域も違和感なく鳴らすことができます。アンブシュアや息の使い方を無理に作らなくても、素直に吹き込むことで鳴らすことができました。またバストロンボーンでありながら高音域にかけてもスムーズにサウンドしてくれます。全体的に鳴りムラを感じることは無いと思います。
またこの楽器の反応の良さは特徴の一つでしょう。ppでも軽く反応してくれます。小回りもよくききますし、取り回しが楽なはずです。細かなパッセージでも綺麗に音が繋がってゆきました。
クルトワの楽器は明るく美しいサウンドを持っていると思います。このモデルもそのクルトワらしさを兼ね備えた、そして現代の楽器に求められるような基本的な作りの良さを感じました。小さなサウンドから大音量まできちんと支えてくれました。吹奏楽やオーケストラ、そしてアンサンブルなど色々な場面で活躍してくれるに違いありません。私にとっては大好きな楽器の一つですね。